「自分のやりたいことがわからない」
これは、多くの人が一度は抱える悩みではないでしょうか。
僕も20代の頃、まさにその状態でした。
やりたいことも夢もなく、何かを始めようとしても「これは本当に自分に向いているのか」と立ち止まる日々。
自信も方向性もなく、ただ情報だけが頭の中に詰め込まれていく。
そんな時間を何年も過ごしていました。
当時の僕は、本を読んだり、成功者の話を聞いたりして、何か“答え”を探していたんです。
でも、どれだけ考えても、ピンとくるものがなかった。
今思えば、「見つかるまで動かない」という選択が、一番の遠回りだったんです。
転機が訪れたのは、あるNPO団体でボランティアを始めたことでした。
友人に誘われ、特に期待もせずに参加した活動でしたが、そこには社会課題に真正面から取り組む人たちがいて、活気と熱気がありました。
その中で、初めて「自分もこういう仕事に関わってみたい」と思ったのです。
「動いてみたから、出会えた」
その体験が、僕の人生を大きく変えました。
止まって悩むより、まず動くという選択
世の中には、やりたいことを見つけるために「自己分析を徹底しよう」とか「自分の強みを明確にしよう」と言われることが多いです。
たしかにそれも一つの方法かもしれません。
でも、行動をともなわない分析は、かえって自分を縛ってしまうこともあります。
僕自身も、考えすぎて何もできなくなっていた時期がありました。
でも、実際に動いてみると、机上ではわからなかった自分の気持ちに気づけたんです。
小さな一歩でもいい。
まずは何か始めてみること。
それが未来を動かす大きな原動力になります。
僕が“やりたいこと”に出会った日
そのNPOでの活動を通じて、僕は「児童養護施設の支援」というテーマに出会いました。
正直、最初は「なんとなく興味がある」という程度でした。
でも、子どもたちと関わる時間の中で、少しずつ気持ちが変わっていきました。
「この子たちの未来を支える仕事がしたい」と思うようになったんです。
何ができるのかわからないまま、施設の職員の方に話を聞いたり、関連書籍を読んだり、勉強会に参加したりしました。
そうしているうちに、「自分にできる形で関わる方法」を考えるようになりました。
心理学を学ぶために通信制の大学に入り直し、最終的には教育支援に関わる企業で働くことになったのです。
まさか、あのときの小さなボランティアが、人生の道を決めるなんて思いませんでした。
でも、それが現実になったんです。
迷いながら進むことに価値がある理由
もちろん、すべてが順調に進んだわけではありません。
失敗もしたし、後悔したこともありました。
それでも、「動いたからこそ見えた景色」があることは間違いありません。
よく「情熱を持てることを見つけよう」と言われますが、僕は情熱とは“探すもの”ではなく、“育てるもの”だと思っています。
最初はほんの少しの興味でも、関わるうちに深まっていくもの。
だからこそ、迷っていても進んでみる価値があるんです。
やりたいことが見つからないなら、誰かの手伝いをするところからでもいい。
小さな経験を積み重ねることで、少しずつ自分の方向性が見えてきます。
やりたいことを探す旅は、考えることよりも、感じることと、動くことがカギです。
まとめ
「やりたいことがない」と感じているときは、何もしないよりも、まず一歩を踏み出してみてください。
それはボランティアでも、イベント参加でも、アルバイトでも構いません。
動くことでしか出会えない「自分の気持ち」が、そこにはあります。
完璧な答えを見つけようとしなくていい。
迷いながら、転びながらで構わないんです。
人生のヒントは、意外と身近な場所に転がっています。
あとは、それに気づける自分でいられるかどうか。
だからこそ、今日も一歩、踏み出してみましょう。
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